「ものづくりエンジニアリングファクトリー(以下、ものづくりEF)」事業は、「ものづくりや実験のための環境整備」と「教育改善活動」のプログラムです。平成21年度から25年度までの5年間にわたり文科省から予算措置され、平成26年度からは岩手大学の自主運営事業として継続されています。
 ものづくりEFは、高度試作加工センター、ものづくり総合実験センター、ものづくり起業家支援室から構成されています。起業家支援室が推進する学内カンパニー活動は、分野融合の観点から理工学部内にとどまらず、全学的に展開されています。

ものづくりエンジニアリングファクトリーについて

理工学部におけるものづくりへの取り組み

平成21年度より5年間の予定で始まりましたものづくりエンジニアリングファクトリー(ものづくりEF)についてご紹介します。この事業は、特別教育研究経費として岩手大学が文部科学省に申請し認可された事業です。平成25年度に完成年度を迎えたため、平成26年度からは岩手大学の独自予算により運営しています。その目指すものは、岩手大学理工学部(申請時は工学部)におけるものづくり教育の根幹的な部分を強化・改善するとともに、起業家精神旺盛な人材を育成するための仕組みを学部等の教育プログラムに組み入れることです。

 ご存じのように、岩手大学理工学部は岩手に根ざしつつ、国際的にも高い評価されるような教育研究を行うことで地域全体に広く貢献して参りました。この根幹にある思想は「ものづくりで地域づくりに貢献する」ことです。そのような「ものづくり」に長けた人材を数多く輩出してきたことで、理工学部が高い評価を頂戴してきたと言っても過言ではないでしょう。また、そのような実績を通じて、他に例を見ない「金型・鋳造工学専攻の設置」「ものづくり融合化研究センターの設立」「岩手マイスタの制度の設立」などが実現し、成果を挙げております。


理工学部におけるものづくり教育の現状

対外的には評価の高い岩手大学理工学部の「ものづくり」活動ですが、このような活動を支えている理工学部での教育、特にものづくり教育やそれらの基礎となる実験教育の現状はどのようなものでしょうか?

 見直しが始まったとはいえ、高校までのいわゆる「ゆとり教育」の影響により、理科教育のダウングレード、即ち教育内容の貧弱化には目を覆いたくなるばかりです。また、大学においても、教養課程の廃止と転換教育、リテラシー教育、情報処理教育などの新たな枠組みのカリキュラムの導入に伴い、工学専門基礎である物理・化学などの実験の時間が十分とはいえない状況です。加えて、国から支給される運営交付金が毎年1%削減されていく中で、実験機器の老朽化が進み、場合によっては装置の故障等で実験そのものが実施されなくなった例も少なくありません。

 ものづくりの現場ともいえる工場(旧・工作センター)も、ものづくりエンジニアリングファクトリー事業が始まるまでは厳しい状況に置かれていました。古く精度もでない加工機械を職員が四苦八苦しながら学内からの加工依頼に応えていました。そうした環境下で最先端の加工技術を学ぶことは正直なところ出来ませんでした。また、職員が技能を磨く機会も十分ではなく、職員の志気もなかなか上がりませんでした。


ものづくりエンジニアリングファクトリーの目的

このような状況を少しでも改善し、学生達が目を輝かせてものづくりや実験に取り組めるような環境整備を進め、また、将来起業家を目指す学生を支援できるような仕組みを学部の教育プログラムの中に取り入れることを目的として提案された事業が「ものづくりEF」です。ものづくりEFは2つのセンター(高度試作加工センターとものづくり総合実験センター)と1つの支援室から構成されております。

 高度試作加工センターは旧・工作センターを改組し、センター長(理工学部教授,兼務)の他、技術職員などから構成され、現行のスタッフ数の増員を図りながら学内からの種々の加工、試作に応ずるとともに、ものづくり教育に関する企画立案とその実践を目的としております。スタッフの研修制度を充実させ、技術の維持発展にも配慮します。ハード面では、従来の加工機械の更新に加え、最新の加工機械を導入予定しました。導入予定の機器としては、汎用性かつ使用頻度の高い高度加工機(ワイヤー放電加工機)などの他に5軸マシンニングセンターなどです。精密加工棟の新設も行われ、学生が自由に使える空間(スチューデント創作工房)も用意されました。

 ものづくり総合実験センターは、機械系総合実験棟を中心とした理工学部の実験環境をセンター化し、理工学部として組織的に実験教育を行う体制を整えるとともに、機器導入等を行い設備の拡充を図ることを目的としています。新しい設備、施設としては、平成20年度の補正予算で認められた環境風洞と3次元レーザー流速計の他に、それらの専用の建屋として環境風洞実験棟が新設されました。また,各学科における老朽化した教育用実験機器の更新なども進めています。

 今回の事業の目玉のひとつが、ものづくりに密接に関係する既存の学内組織及び施設の整備拡充によって創生される新組織を基軸として、学内ベンチャーや長期インターンシップを可能にするための「学内カンパニー」の設置及びその支援部隊としての「ものづくり起業家支援室」を設置です。「学内カンパニー」は、教職員、学生、さらには、企業との共同体が学内に仮想的な「カンパニー」を設立し、会社における開発に準じた活動をものづくりEF等の施設を活用して行うものであり、学生が製品開発などに企画の段階から携わることが可能になります。また、「学内カンパニー」を支える本社機能(人事、財務、法務など)を有するグループが「ものづくり起業家支援室」となります。ここには平成22年11月から経験豊かな人材を学外から採用しておりますが、今後も継続して採用していく予定です。これらを通じて、学内に従来にはない新たなものづくり実践的教育を学び、さらには自発的な活動の拠点の形成を図ります。

ものづくりエンジニアリングファクトリー図


期待されること

ものづくりEFの活動全体を通して地域の強いニーズに対応した研究開発が実施可能となり、地域振興という面で貢献可能になることが期待されます。また、自発的なものづくりを促したり、また支援したりするための設備及び体制を整えることで、ものづくりの喜びを早期に体験させ、学習に対する意識を高く持たせることが可能になるでしょう。そのような取り組みを高校生以下の学生、生徒にも経験させることにより、理工学の魅力をアピールすることで、いわゆる「理工学離れ」に対する取り組みとすることも繋がります。今後とも、ものづくりEFへのご理解とご協力を宜しくお願いします。それから、是非この事業に大いにご期待頂ければ幸いです。


アクセス

住所

〒020-8551
盛岡市上田4丁目3-5(理工学部3号館305)


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連絡先

岩手大学理工学部附属
ものづくりエンジニアリングファクトリー
起業家支援室
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アクセス方法

盛岡駅よりタクシー約10分、
バス 約15分(東口バスターミナル11番のりば)
駅上田線の「松園バスターミナル」行き「上田四丁目(NHK前)」下車、
または駅米内団地線の「桜台団地」行き「理工学部東口」下車。徒歩2分

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